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Staff Interview

スタッフインタビュー
開発室チーフ(2023年12月1日時点) Y・M

大学と共同研究で開発。高度な技術をメガネレンズに応用

まずは社内の説得から。他に類を見ないレンズを目指し

業界で始めて、被写界深度延長設計によるメガネレンズ「ESシリーズ」を開発したのは、当社開発室チーフのY・M。2年の月日をかけ、全国の大学と共同で研究に取り組んで業界初の開発に成功した。

被写界深度延長設計レンズとは、ピントを合わせたところの前後にも焦点が合っているようにクリアに見えるレンズのこと。通常、1点にピントを合わせると周辺はぼやけて見えるが、被写界深度延長設計のレンズならピントの範囲が広がり、焦点から外れてもクリアに見える。自動車の自動運転に使われるカメラのレンズや、顕微鏡などではすでに使われているが、メガネレンズへの転用は始めてだ。「全く新しいレンズの開発だけに、社内で理解を得るのが最も難しかった。そもそも、何の用途か。どんな設計思想・コンセプトのものが作れるのか。販売できる商品ができるのか。全くわからない状態から周りを説得して、コツコツと研究を進めました」と振り返る。

大学の研究者と共同研究。学会発表も

研究を進める上で大切なパートナーとなってくれたのが大学だった。大阪大学、東京農工大学、帝京大学、千葉大学、東京眼鏡専門学校と共同し、内視鏡外科医療、立体ディスプレイ、メガネなどさまざまな分野で研究を進め、さまざまな分野の学会で発表を行なった。「治験のために、2ヶ月間大学に缶詰になったこともある。苦労もあったが、新しい分野の研究は楽しかった。論文を作って発表し、社会に周知してもらって、最終的にものづくりの成果としての商品を呼び出すというプロセスを全て体感できたことは財産」と話す。医療分野、3Dやバーチャルリアリティ、ゲーム業界などでの有効な活用が期待されており、現在はいよいよ商品化が始まろうという段階。「メガネレンズを超えた応用が広がっており、ワクワクする。」と目を輝かせる。まさに「これから」の技術。今が新たなスタートラインだ。

スポーツや運転、プロゲーマー用のメガネも

メガネレンズとしては業界初となる被写界深度延長設計レンズ。「動くものを捉えやすいので、球技などのスポーツをする選手に使ってもらいたい。夕方や夜もクリアに見えることを利用すれば運転用のメガネとしても有効だろう。眼疲労を減少し、広い範囲が見やすくなるので、外科医の先生にもかけてもらえないか。プロのゲーマーの役にも立てるのではー。人の目を超えたメガネとしていろいろなことに使えると思う。もちろん当社がメガネ以外の分野に進出する武器としても活用できる。他社と同じことをしていたのでは大企業に敵わない。この技術を使って会社がますます発展すれば嬉しい」と夢は広がる。「何のために研究するかと問われれば、私は『ユーザーのいいねのために』と答える。研究者として、当社のレンズがあってよかったと多くの人に思ってもらいたい。このレンズが、このメガネが、あってよかった、使ってよかったと言ってもらうために、毎日頑張っています」