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Staff Interview

スタッフインタビュー
技術部 K・M

新しい発想で新しいチャレンジを

プロキャディーの第一人者と一緒に作ったゴルフ専用レンズ

私は大学で物理を学び、現在はレンズの開発に取り組んでいます。当社にとってロングセラーのヒット商品となっているゴルフ用機能性サングラスの開発に携わりました。かけることで芝目が読みやすくなり、景色もキレイに見える機能を持つ特殊なサングラスは、発売以来多くのゴルファーやキャディさんに支持されています。

開発に乗り出したのは、旧知の地元蒲郡市出身のプロキャディでゴルフ番組の解説でもお馴染みの杉澤伸章さんからの要望がきっかけでした。「ゴルフショップで売られているサングラスはあまり良いものが無い。作ってくださいよ。」と言われたので、「じゃあ一緒に開発してくれるならいいですよ。」と答えて開発が始まりました。私自身はゴルフをしないので、ゼロからの挑戦でした。杉澤さんとの話し合いの末、芝生の目が読みやすくて起伏がはっきりわかるのが多くのアマチュアゴルファーの助けになるだろうということになり、方向性が決まりました。

分光計を持ってゴルフ場でデータ集め

開発を始めて最初に行なったのが、データの収集でした。近隣の西尾市や豊川市などにあるカントリークラブに話を持ちかけて撮影許可をもらい、分光計を持って芝生などの撮影を繰り返しました。回ったカントリークラブは10箇所に及びます。当時の分光計は今のものより大きく、肩に担いで持って歩く感じ。撮影していると利用者の方から「何をしているの?」と声をかけられました。ほとんど不審者ですよね。格式の高いクラブに入るのは勇気が必要だったので、上司に同行してもらったりしました。冬に撮影を始めたのですが、冬は芝が枯れていて夏と色が異なるので、都合2回ずつ撮影しました。たくさんのデータが集まったおかげで開発はスムーズでしたね。試作品を持ってまたゴルフ場に伺い、プレー中のゴルファーにかけてもらう、なんてこともしました。杉澤さんにも実地テストに付き合っていただきました。色々な方の協力があり、開発に着手して1年でのスピード発売となりました。

社内で大好評。ゴルファーに愛されロングセラーに

サングラスの完成を最初に喜んでくれたのは、社内のゴルファーたちでした(笑)。見たいものがはっきり見えて集中力も高まるので、プレーしていて疲れにくいなどの声が多かったです。商品名は「Eagle view」にしました。タカの目のようによく見えるという意味を込めましたが勿論ゴルフ用語のイーグルとのダブルミーニングです。ゴルフだけでなく、ドライブやロードバイクでも使いやすいという声も聞かれました。景色がキレイに見えるので楽しいのだそうです。特に今まで普通のサングラスを使用されていた方からは、見え方の違いにとても驚いていただけますね。これからももっと多くの人に使ってほしいです。イーグルビューで見るとアンジュレーションや芝目がよく見えるようになりますが、スコアが良くなるかは責任を持てません(笑)

常にアンテナを張り続け、新しい発想で新しい開発に挑戦

常に新しい感性を保ち知識を深めたいと、絶えずアンテナを張り巡らせているつもりです。好奇心旺盛に、いろいろなことに興味を持って学び続けたいと思っています。なんでもやってみようという気持ちを忘れたくないと感じています。研究者に必要なのは、新しいことに取り組む好奇心とチャレンジ精神。経験を積み、知識を蓄え、失敗を積み重ねる中で成功を導き出すのが研究の面白さ。今まで誰も作らなかった新しいレンズを作りたい。そんな思いで毎日頑張っています。